ダニー・ボイル版『スティーブ・ジョブズ』は、とっても危険で魅力的な映画だった。
『スティーブ・ジョブズ』(2015・米)
1984年、アップル社の新製品発表会本番を40分後に控え、スティーブ・ジョブズ(マイケル・ファスベンダー)は部下のアンディ(マイケル・スタールバーグ)と揉めている。今回ジョブズはどうしてもMacintoshに「ハロー」とあいさつさせたかったが、当の主役は沈黙したままだ。マーケティング担当者のジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)は諦めるよう説得するが……
90点
ひとこと:
安易に観ると大やけどする。
Appleの創業者スティーブ・ジョブズの伝記映画。
観たのは今年の2月だったんですが、感想書いたままうpもせずに放置していたのに気付いてこのタイミングで掲載しました。あ、もうDVD&ブルーレイも発売中ですよー。
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さて僕は「Stay hungry,stay foolish」の言葉を掲げるほどのジョブズ教信者であり、また監督のダニー・ボイルも結構好きだったりします。(『トレインスポッティング』は気に食わないけど『ザ・ビーチ』は好き、という珍しいタイプ)
ちなみにジョブズについては、アシュトン・カッチャーを主演とした前回の映画化(2013年)があって、もちろんこちらも観てます。
これ、世間的には酷評ムードですが、ジョブズが「生きてる!動いてる!」ってのを見れただけでも良かったし、そこそこ楽しめたってのが正直な感想。
ただ(各キャラクターの似せっぷりは堪能できるものの)再現ドラマの域は出ず、伝記映画・出世物語としては平板だったなぁ…というのは世評と一致した見解です。
感想としては、
「間違いなく傑作。だけど、安易に観ると大やけどする」
です。
「ジョブズ?ああiPhone作ったハゲでしょ~なんか面白そう~」
みたいなテンションで観ると、間違いなく振り落とされると思います。
(後ろの席で観てたJK2人組は実際そんなスタンスだったようで、まったく腑に落ちない様子で劇場を去って行きました)
少なくとも、スティーブ・ウォズニアック、ジョン・スカリー、ガイ・カワサキといったジョブズを取り巻く人びとや、Lisa、AppleⅡ、「1984年」の広告、NextCubeなどの商品名、「現実歪曲空間」といったジョブズ用語などはある程度押さえてからでないとキツイでしょう。
(出典:Cinema A La Carte)
そういった意味では、ジョブズ初心者向きだった2013年版と比べ、本作はある程度ジョブズに関する知識を得ている観客向け、いうなれば、2013年版がWindowsから乗り換えたライトユーザーにも扱いやすいデスクトップ一体型パソコン「iMac」だとすれば、本作は壮大なパフォーマンス、かつてない拡張性、超高速のレンダリング、驚異的な先進性を兼ね備えた、まさしく「MacPro」のような映画であるといえるでしょう。(何を言ってんだか)
ジョブズの相棒スティーブ・ウォズニアックは、2013年版の映画について、
「ジョブズが最初から天才的な経営者のように描かれているがそうではない。彼は多くの人との関わりを通して成長していったのにそれが描かれていない」
という趣旨の批判をしていました。
(出典:シネマカフェ)
今回のアーロン・ソーキン脚本による本作は非常に特異な構成をとっており、ジョブズの伝記映画と銘打ちながら
「1984年、初代Macintoshのプレゼンテーション開始直前の40分」
+
「1988年、NeXTcubeのプレゼンテーション開始直前の40分」
+
「1998年、初代iMacのプレゼンテーション開始直前の40分」
=120分
と、ジョブズの生涯におけるわずか3つのシーンを、それぞれほぼリアルタイムで描くという世にも不思議な作品となっています。(ちなみに発表会本番のシーンは一切描かれない)
当然、登場人物も限られてきますし、ほとんど同じようなシーンが3回も繰り返されたりするわけです。(全体に、すっげー舞台劇っぽい)
(出典:CINEPOP)
こんな無茶な構成をとりながら、ソーキンの磨きに磨き上げられた脚本は、限られた舞台設定と登場人物という制約のなかで、会話だけで登場人物それぞれの人間を深く深く掘り下げていきます。
さてさて、なんだか神格化されているスティーブ・ジョブズが人間的にかなり問題ある人物だったことはジョブズファンなら周知の事実でしょうが、この映画の冒頭で登場する1984年のジョブズは観客の9割がドン引きするレベルのスーパークズ野郎です。
ジョブズは「天才」なんかではなく、気分屋で、ワガママで、独善的で、周囲を傷つけ、家族という関係から逃げ回ろうとする、髪の薄い小心者です。
(出典:Cinema A La Carte)
そんな彼がなぜ世界を変えた人物として尊敬を集めるようになったのか、彼は他者との関わりの中でどう変わっていったのかを、この脚本は丹念に描き出していきます。
この映画が感動を呼ぶのは、「天才」の人生ではなく、ひとりの不器用な人間が、悩み、もがき苦しみながら生き方を見つけ、世界における自分の役割を見出していく姿を描いている-すなわち、人間にとって普遍的なテーマを扱っているからなのです。
本作の勝因は、「完コピ」を目指さなかったことです。
ダニー・ボイルの演出ってのはともすれば「雑」な面があるんですが、本作においてはその「雑」さがむしろプラスに作用した部分もはっきりあります。
すなわち、「雑」で「勢い重視」であるがゆえに、たとえば史実との整合性や事実の網羅性などにはこだわらず、本作のような勢い一点突破型のユニークな伝記映画を作ることができたのではないかと思うのです。
主演のマイケル・ファスベンダーにしたって、最初はどうみてもジョブズには見えない-はずだったのですが、映画が終わる頃には、ジョブズそのものにしか見えなかったし、最後に彼がステージで拍手喝采を浴びながら登場するシーンは、思わず涙が出ました。
(出典:Cinema A La Carte)
間違いなく変な映画だし、万人にお薦めできる作品ではありません。
間違いなく変な映画だし、万人にお薦めできる作品ではありません。
しかし本作は、僕の人生においても大切な一本になりそうです。
※ジョブズと愉快な仲間たちを扱ったフィクションとしては、ビッグコミックスペリオールにて連載中の漫画『スティーブズ』がオススメです。『東京トイボックス』のうめ先生が執筆されているので興味のある方はどうぞ。
【コスサミ2日目まとめ】陸奥守吉行がオアシス21に参戦!
1日目が終わって名駅の「味仙」で台湾ラーメン大盛りをガツガツ食ってカプセルホテルで横になって気付いたらもう朝でした。
おはようございます、NORAです。
きょうは「むっちゃん」こと陸奥守吉行です。初出しです。
夏イベで刀剣コスって自殺行為と分かっちゃいるんですが、むっちゃんの場合は前開いてるし袖も開放的だしまぁいいかなーって。
それでも暑いのは変わんないんですが。
大須のパレードも行こうかな―とか思ったんですが待ち時間クソ長そうなのでやめました(笑)
てなわけで今日もぶらぶらオアシス21を彷徨うよ。
Xeruさん。昨日に引き続きイケメンさんでした。
会場入りしてしょっぱなにお声がけ頂きました、おたまろさん。
ようやくお会い出来ました、名古屋のセイバー・あるとりあさん。
昨日に引き続き、MYSさん&kirinさん。調査兵団暑そう。
HAYATOさんが兼定やってたので、いずむつでご一緒させていただきました。
hyuくんとyunoくん。
歪さん。涼しくはなさそう。
ルキア千龍さん。
一目で分かる肉汁さん。
りくくん&ちっちゃいのさんのセバシエ。
皆さんご一緒に。
昨日に引き続きお会い出来ました、朔羅さん。
同じく昨日に引き続き、きいさん。
昨日に(略)、ゆういさん。
刀ミュ併せをやっていたので撮らせていただきました、神夜さん。
むっちゃんコスに反応して声をかけて頂いたらんぬこさん(上)&こるとさん(下)。
おふたりとも陸奥レイヤーさんでした。
昨日はお会いできなかったkotonaさん。
全身真っ白なしゅんさん。
NOZOMUさん。お会いできて良かったー!
またまたお会い出来ました、萌木原百合花さん。
日本号&御手杵に扮するは、京透さん&りゅうとさん。
知り合いが刀剣男子(リアル性別)あわせをしていたので混ぜてもらいました。
大倶利伽羅:こたろー。さん
獅子王:はるこんさん
燭台切光忠:はやちんさん
/ちーっす\
昨日に引き続き、代狐さん。
rineくんに昨日のニックのメイクについて褒められたよ!
よっちゅんさん。しつこいようですが、男性です。
アイナナ併せ組。
るぅたくん。
あずきともやくん。
373くん。
集合、パシャリ。
めっちゃ囲まれてました、環さん。
ようやく太郎ちゃんで会えました、Geさん。
一緒に撮らせてもらいました、お連れの江雪・nulLさん。
昨日に引き続きユフィの豆まるけさん。
オフで参加してた潤さん。お久しぶりー!
以前から声かけてもらっていました、RAYさんとお連れの彩香さん。
こちらもようやくお会い出来ました、またたびねこさん。
いずむつだよ!さしゃさん。
ゆうやさん。普段は長谷部のイメージが強いけど、この日は加州でした。
昨日に引き続き会えた773さん。おにゃのこやぁ(2回目)
ひぐちさん。かっこいいですなー。
おはぎお餅さん。なにげにイベントでは結構お会いできてますねw
ichiyanさん。お盆はおつかれさまでした。
たかやんさん。名刺渡すの忘れました(´・ω・`)
緋色さん。おひさです。
ちょっと前から交流はありましたが、お会いするのは初めてでした。舞威さん。
とっても囲まれていた萌野助さん。
西妻くんとSHOUくんと愉快な仲間たち。こんな小学生はいねえ!
くどいようですが、男の子です。モモハルさん。
秋兎さん。昨日に引き続き、おつかれさまでした。
京都での大型あわせ以来でした、まぐさん。
ギリ、この日もお会い出来ました、湯茶さん。
帰り際に声かけてもらいました、綾姫さん。
2日間のツーショ写真全部あわせたら、ゆうに130枚超えてました。ワロス。
これでも撮り忘れた人とかいるんやで…
帰りの新幹線(ぷらっとこだま)の中で爆睡しながら僕のコスサミは幕を閉じました。
クソ暑い中、みなさんお疲れさまでした。
【コスサミ1日目まとめ】ニック・ワイルドがオアシス21に参戦!
どーもNORAです。
今年も世界コスプレサミットに参加してまいりました。
遅ればせながら、レポという名の写メをひたすら貼り付ける日記をあげます。
名古屋あちぃ!!!!
このくそ気温の中でなんでみんな長袖着たりヅラ被ったり甲冑に身を包んだりしてるの?烏滸なの?
とまぁブーメランな発言をしてはみましたが、今回俺はニック(ズートピア)なので比較的涼しく過ごせる…はず。
そんなわけなかった。
半袖でもあついんですけどー。
なんか皮膚から汗がポコポコ浮いてくるんですけどー。
外に出て5分で鼻筋に水滴が垂れてくるんですけどー。
そんなわけで熱中症にならぬよう水分やら補給しつつ、オアシス21をぐるぐる回っておりましたよ。
しょっぱな、フォロワーさんがズートピア併せに参加してたんでちょっと混ぜてもらいました。
同じくニックに扮するは、秋水さん。
久しぶりにお会いしました、ジュディひめさん。
真城きよさん。市長、スーツ暑くないすか。
773さん。ミスフルあわせではこの2人は虎鉄と兎丸でした。
本物だーーーー!!!!クロウハウザー:雪さん。
ボゴ署長:ちゃーこさん。
フィニック:小崎さん。
副市長:らえさん。
この人までいるー!フラッシュ(ナマケモノ):しゃくまさん。
エンドロールで歌ってました。ガゼル:はっかさん。
お久しぶりでした、朔羅さん。
東堂のイメージが強かった初春那衣さん、この日はことりちゃんです。
ようやくお会い出来ました、美麗な加州は藍栖心愛さん。
hyuくんとyunoくん。お久しぶり…ではないか(笑)
Xeruさんと杏仁豆腐さん。安定のイケメン。
お初でした。ゆういさん。
はやちんさん。数日前に繋がって挨拶したばかりなのにすでに馴れ馴れしいワイ。
この外国人の方、「ズートピアダイスキ!」って声かけてきてくれたので写真撮ってハイタッチして別れました。
のちに判明したことですが、日本初のアメリカ人忍者(愛知県所属)クリス・オニールさんその人でした。
変顔が定番のはやちんくん。
日陰にて定位置キープしてました、ヒロさん。
菜花さん。なんかこの写メはふたりとも表情が似ているw
萌木原百合花さん。イベント遭遇率毎回高し。
リノンさん&レイさん。おふたりとも男性ですよー。
一年ぶりかな?秋兎さん。
(マック店内ですが、店員さんの許可を得たうえで撮影しています)
セクシー衣装に身を包むうさこさんと、お連れのヤムチャさん。
ひめさん(2回目)。ジュディから着替えました。
あん子さん。お久しぶりです!
口が隠れていて暑そうでした…suchiさん。
左から俺、白銀ゆいかさん、しゅりさん。
おふたりともお疲れ様でした〜。
安定の鶴丸、ichiyanさん。
きょうはニックじゃありません、黒輔さん。
上からるぅたくん、環さん。
おふたりともこの衣装でホテルから着たそうです。すげぇ・・・
オスライブ併せではお疲れ様でした、トキサネくん。
相変わらずすっとぼけていた373くん。
モモハルさん。男の子ですよ。
この一般人は誰でしょうか。あずきともやくんです。
茶々さん。極衣装は大変そうでした…!
現地でお声がけいただいたフィニック、碧虎さん。
るいたまさん。この2人、どちらも次郎太刀レイヤーなのですよ。
流妃さん。いまどきの女子高生やぁー。
この日は鳴狐じゃなかった代狐さん。
HAYATOさん。実は先日ネットでご挨拶したばかりです。
サマーウォーズのカズマに扮するのは、いちはさん。
サマウォ併せの集合写真も撮らせていただきました。
よっちゅんさん。男性ですよー。
萌野助さん。このあと、コミケ/となコスの終了までたびたびお会いすることになります。
お互い探しまわってました、ぜろさん。
茶子郎さん。笑顔が元気!
1年ぶりかな?湯茶さん。
Geさん。28のおっさんと現役女子高生のツーショというね。
ユフィ:豆まるけさん。実はお互い名乗るまでに何度かすれ違ってました。
お久しぶりすぎるYURIさん。
コミケで進撃の本を出したとき、売り子をやっていただいたのですよ。
男が嫉妬するイケメン光忠、琉蛇さん。
えいさん。セーラームーンあわせやろうね!
夏帆さん。先日ご挨拶したばかりですが図々しく声かけてしまいました。
お声がけいただいた利生さん。ありがたかったですー。
773さん(2回目)。おおっ、おにゃのこやぁ…!(これまで男装コスでしか会ったことなかった)
これまたお声がけいただきました、鋒さん。
お久しぶりー!浴衣デート中のMYSさん。
以前よりお名前は伺ってました、kirinさん。
きいさん。背高い!うらやましい!
やっぱりいたのかおぬしら。花束さんと琴音さん。
すっかり夜になってしまったけどお会い出来ました、城埼さん。
ミツヨシさん。2人とも怖いよ!!
だいたいこの日は70人くらいには会えましたかねぇ。
以後、2日目につづく。
世界は、死人とskypeで会話できる時代に突入していた-映画『アンフレンデッド』感想(ネタバレなし)
『アンフレンデッド』(2015・米)
ネットいじめにより女子高生ローラ・バーンズが自殺して1年後、級友だったブレアら6人の男女は、Skypeを使ってグループ会話を楽しんでいた。その時ふと、会話グループに見慣れないアカウントが混じっていることに気づく。何度再接続を試みても、そのアカウントは一言も発しないままそこに存在していた。すると今度はブレアのFacebookに、死んだはずのローラのアカウントからメッセージが届き…。
70点
ひとこと:
SNSってほんとうにめんどくさいですね。
『パラノーマル・アクティビティ』の系譜に連なる、いわゆるPOVホラーの亜種といえる作品。
本作は手持ちカメラの映像ではなく、パソコンの画面上だけで全編展開されるってのがウリ。
事件の発端となるローラの自殺は、自分の恥ずかしい映像(中身については中盤で明かされる)をYoutubeにうpされて「祭り」になっちゃったのが原因ってことで、いかにも現代でありそうな話。
Facebookに次々コメントが書き込まれていくシーンなど、一昨年公開されたネットいじめを題材とした作品『ディス/コネクト』を彷彿とさせます。
さて、このネタ。
アイディアとしては面白くなりそうですが、ぶっちゃけ誰でも思いつきそうなお話です。
ただ、あまたの『パラノーマル』パクリ派生映画とは違い、きちんと仕掛けや構成を考えて作られているのがこの映画の偉いところ。要は一発ネタ作品だけど、そのアイディアだけに寄りかからずにちゃんと智慧を絞って観客を楽しませようという努力が垣間見える、そこがエライってことですね。
感心したのは、「導入」にたっぷり時間をかけていること。
上映時間83分とかなりタイト(これ自体も好ましい)なわりに、この映画は導入部がけっこう長いんですよ。本格的に「はい、ここからヤバくなってきますよ~」モード(具体的には、最初の犠牲者が出るあたり)に切り替わるまでが、すなわち本格的に話が動き出すまでが意外と長い。
なんでこれが(・∀・)イイ!!かって言うと、「日常」世界の描写をちゃんとやろうとしてるからです。
この手のモキュメンタリーホラーって、どんだけ作品世界に現実感を持たせられるかが勝負じゃないですか。
スクリーンで展開される怪異を、観客にとって現実と地続きのものとして捉えてもらう、すなわち「この恐怖はいま、あなたのすぐそばにある」ってお題目に説得力を持たせないと、ただのチープな凡百のホラーに落ち着いちゃうわけ。
だから、恐怖が始まる以前の平和な「日常」部分をきちんと描いて、そのフィクション世界に説得力を持たせる、言い換えれば「観客のいる現実と映画という虚構を繋げる」という作業が必要なんです。
この映画では、やばそうな動画が流れたり変なメッセがきたりと冒頭から不穏な動きは次々と起きるものの、少なくとも前半部においては、「怪異」が一定のラインを超えて現実に侵食してくることはありません。せいぜい恋人と「なんじゃこれ?怖くね?やばくね?」ってノンキに会話する余裕がある程度の「怖さ」に留まってくれています。
それに加えて仲間のバカ騒ぎとか、どうでもいい話題とかでその都度日常テンションに戻ったり、Skype繋ぎ直したりする「作業」パートもあるんで、観客の意識も結構な頻度で現実に引き戻されるわけ。「恐怖」はあくまで底流としてゆったりと流れ続けたまま「日常」パートの喧騒がガヤガヤと進行するのです。
ゆえに、そのチョロチョロした流れが一気に勢いづいて本流となる瞬間、すなわち「恐怖」が日常に侵攻して平和な世界をぶっ壊し始めるその瞬間に最高にカタルシスが生まれるのです。キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!となるわけです。
逆にいつまで経っても本題に入ろうとせず、ラストまで引っ張ったあげく撃沈したのが本家『パラノーマル・アクティビティ』です。
あと、この映画はパソコンの画面が舞台となるわけですけど、上の「閉じる」ボタンがなくなってたり、プルダウンメニューで選択肢が選べない(薄色になってる)とかって、僕らがパソコンやってるときにリアルに経験する「恐怖」体験ですよね。
あの無機質なPC画面特有の問答無用な感じというか、取り付く島もない、感情が通用しない絶望感。あの冷や汗がでる「恐怖」はそのままこの映画の「恐怖」にも繋がっています。素材のインターフェースの使い方もなかなか上手いなーと思いましたね。
逆にちょっと残念だったのは、各キャラの死に様。
ミキサーはなかなか良かったんだけど他がなぁ……死に顔とか直接的に見せすぎていてなんだか間抜けです。興醒めです。役者さんの演技が悪いってわけじゃないんだけどね。
画面全体に血がビチャーとか、そんくらいの間接表現に留めておいたほうがかえって怖かったんじゃないかなあ(´・ω・)
あと、気になったポイントとしては
・Skype同時通話くらいでフリーズしすぎ
・アメリカの高校生の生活荒れすぎ
・みんな夜に自宅に一人でいすぎ
・ローラ・バーンズ面倒臭すぎ(たぶん生前から相当嫌われてたぞお前)
てなわけでいろいろツッコミどころはあれど、真夏の夜にふらっと観に行くお手軽ホラーとして、悪くない選択だと思います。シン・ゴジラの衝撃で混沌とした脳みそをリフレッシュさせたいお方は、どうぞ劇場へ。
ちなみに、ローラ・バーンズのfacebookアカウントは実在します。
開くかどうかは自己責任で(`・ω・´)
【夢の話】ガムテープ男との遭遇
少し前に見たよくわからん夢の書き起こし。
俺は夢の中で起きる。
俺はベッドで寝ていて、その横にあるベランダのない小窓が網戸になっている。その窓から外に目を向ける。現実では隣の家のベランダが見えるのだが、夢の中では同じ高さに駅前にあるような歩道がある。
何やら外がうるさい。見ると、ハゲで長身の男と小柄なおばさんが歩道に立ち、大声でなにかビラを配っている。ああ、どっかの政治団体か、駅前とかにいる変な人かと思った俺は、ふと興味を持って寝間着のまま外へ出て2人のもとへ向かう。
ハゲの男はガムテープを頭の上に載せている。俺は何を考えたのか、そのガムテープを手にとって小さくちぎり、男の顔や体にくっつけ始めた。その間、男も女も無反応でそのままビラを配っている。
俺は満足したので「ガムテープを使用させていただきました、すいません」と男に向かって丁寧に言うと「そうですか、構いませんよ」と普通の反応。そして俺はまたガムテープを男の頭の上に戻す。
俺はイタズラが成功したとほくそ笑み、家に帰ろうとするのだが、しかしさきほどの2人が自分を尾行していることに気づく。まずいと思ったので、2人をまくために遠回りして帰ることにする。
まず階段を降りて歩道から住宅地に入った。入り組んだ路地をでたらめに進むとやがて2人はまいたようだが、今度は自分がどこにいるか分からなくなってしまう。住宅地の真ん中にどこかの大学のキャンパスがあったので、ある校舎の裏口から入る。ドアの取っ手がなかなか動かないので下に引いてみると、ガチャと音を立てて開く。
1970年代に建てられたような、古びた校舎を抜けて外へ出る。そこからはあまり覚えていないが、なんとか自宅に帰ってきたところで目が覚めた。
オチがないね(*ノω・*)テヘ
最初に選んだポケモンは?
歌丸師匠強いな。
ヤバい人たちに洗脳されないために
そういやここんとこ雑文とか書いてねーな、と思ったのでふと書くよ。
最近、集団における人間の心理に興味があって、手当たり次第にノンフィクションを読んでいた。
興味の矛先は、端的に言えば、「ひとはなぜ集団のなかで狂うのか」ということだ。
ちょっと何冊か紹介。
『消された一家 北九州連続監禁殺人事件』(豊田正義著・新潮文庫)
『家族喰い 尼崎連続変死事件の真相』(小野一光著・太田出版)
いきなりキツいのきちゃったなあ。どちらも日本、いや世界の犯罪史に残る凄惨な事件を取り上げた本。苦手な人はマジで反吐が出るんで気軽に読まん方がいいです。
どちらの事件も内容が強烈すぎるんで詳しく紹介しないが、「突然現れた部外者によって家族がめちゃくちゃにされ、互いに憎み殺し合うことになった」という点は共通している。いずれも事件の首謀者(北九州事件は死刑判決、尼崎事件は拘留中に自殺)のキャラが立ちまくっている―というか「悪」の体現として完璧すぎて、こんなのに目つけられたらそりゃひとたまりもないやろうなぁと妙に納得してしまう。
『恥さらし 北海道警悪徳刑事の告白』(稲葉圭昭著・講談社文庫)
いま公開されている綾野剛主演の映画「日本で一番悪い奴ら」の元ネタ。
日本警察最大の不祥事こと「稲葉事件」の当事者が書いた手記。真面目で正義感溢れる熱血刑事がしだいに手柄をあげることにのめり込み、警察組織のバックアップあるいは黙認のもと、犯罪に手を染めていく姿が克明に描かれる。あっけらかんと書かれていて笑える場面も多いので(死人出てるんだけどな)、結構万人向けにオススメ。
『ドリーム・キャンパス スーパーフリーの「帝国」』(小野登志郎著・太田出版)
いわゆる早稲田大学スーフリ事件(もう、いまの若い人は知らんかな)を扱ったルポ。要はヤリサーの集団女性暴行事件なんだけど、単に男が女をひどい目に遭わせた系の話じゃなく、ある件の被害者(女)が別件では加害者側になっていたりするのでもう見てらんない。
意外なことに、首謀者の男たちはいわゆるウェイ系ピーポーじゃなかったらしい。むしろ高校までは女性が苦手なタイプで、大学デビューで調子乗っちゃったのが大半だったようだ。非モテをこじらせたゆえの強烈な反骨精神がノンストップで突き抜けた結果、辿り着いた終着駅が刑務所だったと考えると、なんだか他人事に思えない。
さて、なんでいきなり「集団」なんてものに目を向けたかといえば、われわれ平成のオタクは基本的に「群れる」動物だからである。
特にコスプレなんてそうでしょ。ぼっちで自撮りしてるのは正直つらい。ふと周りを見渡せば、みんな友達と楽しそうにキャッキャしている。孤高を貫けるのは一部の超人のみである。そんなわけでわれわれ凡人は、誰かと愉しみを共有することが必然となる。それが拡大して、やがて「集団」が形成される。
さて、これは趣味や興味を発端として形成された集団である。学校や家族みたいな強固なものじゃなく、あくまで俺の人生における数%を他人の数%と共鳴させる、ゆるいつながりである。これが強くなるとみんなで会社を作ったり、一緒にプロジェクトを遂行したり、あるいは交際・結婚したりする。これは「絆」の健全な発展形であろう。
ところが、「絆」を強固にすることが、必ずしも良い結果ばかりもたらすとは限らない。
もちろん殺人まで起こす輩なんてそうそういないが、所属するメンバーを疲弊させ、周囲から孤立させ、組織への依存を強要する集団というのは、それこそ中学校の教室から会社組織、趣味の世界に至るまで、そこかしこに点在するものだ。
これを「悪しき集団=カルト」という。北九州事件・尼崎事件は、一人のカリスマが周囲の人間を次々と屈服させ、支配下に置いていった。北海道警は「うちではこれが正しいの」とばかりに組織ぐるみで違法な捜査を行っていた。スーフリは、いかに犯罪行為を手際よく行い、完璧に隠蔽するかに特化した集団だった。いずれも、外部から切り離された蛸壺(たこつぼ)の中でじっくりと醸成された「カルト」であった。
ところで俺はけっこう意識して、特定の集団に依らないように気をつけている。それは俺の危機意識が高いとか孤高を貫ける精神力があるとか、そういうポジティブな理由ではなく(むしろ寂しがり屋である。てへ)、根本的に協調性に欠ける心根を持っているせいで、あまり特定の集団に没入することができないという性分ゆえである。
以前にも言った通り、俺は基本的に俺のやりたいことをしたいので(もち法律の範囲内でね)、それが嫌だって人は離れてね、ってスタンスであるし、たぶんしばらくそれは変わらないと思うのだ。趣味なんだもん、気楽にやりたいぜよ。
別にわざと嫌われる言動をとる必要なんかないのだが、あくまで趣味とはあなたが、あなた自身が楽しむという目的が根底にあるってことは確かだし、覚えておくべきだと思う。そこを忘れて「集団」に奉仕し始めるとき、何か危険なものが水面下で動き始めるのかもしれない。
願わくばあなたが、あるいは俺が、その兆候に気づき、一線を超える前に踏みとどまれますように。
あなたが、俺が、明日「カルト」の一員として逮捕されないという保障など、どこにもないのだから。