ノラブログ。               

 
 
 
 
 

【雑記】なぜ文章を書くのか

 


 長いけど別に深刻な話とかではない書き散らし日記。
 


 去年の冬のとなコスにてクリスマスプレゼント代わりに貰ったインフルエンザのため、正月早々ぶっ倒れていたときのこと。


 1月2日の早朝に目を覚ましたぼくは体調がただならぬことに気づき、体温計を差し込んでみると快調に39度超。正月なので近所の内科は開いていない。急いで総合病院の救急外来を探してタクシーで向かい、待合室に通されグデーッと椅子に寝転がっていた。

 

 待合室には他にも患者が数名いたのだが、ぼくの後ろに座っている中年の男女がさっきから大声で何事かまくし立てている。
 男のほうは禿げていてどことなく諏訪太郎似、女のほうは普段は化粧っ気が濃そうだが今はほとんどすっぴんだということ以外どんな顔をしていたのか記憶がないが、ここは木の実ナナみたいなイメージで考えて頂きたい。最初は夫婦かと思ったが、どうも女のほうはお水の人らしく、男はその客という関係のカップルのようだ。

 

 男は女の言動挙動がいちいち気に食わないらしく、女が何かするたびに手に持った杖を振り回しながらグチグチ文句を言うのだが、女の方も負けておらず「ひと昔前じゃ、あたしはあんたなんか手の届かない女だったんだからね!」火曜サスペンス劇場の台詞みたいな妙に芝居がかったことを言い出す。おめーら元気じゃねえかよさっさと去れ俺は死にそうなんだよ。挙句の果てに女は「おこ!おこ!」「今の若い子の間じゃあね、怒ったときはこう言うのよ!おこ!」と叫びはじめ、薄れゆく意識の中で女の「おこ!おこ!おこ!おこ!」という咆哮だけがぼくの世界を包み込むのであった。

 

 

 この話にオチはない。残念でした。
 なぜ急に半年近く前の話をしたかといえば、単にしたかったからというほかない。気まぐれな性分である。思い出したから書いてみたのだ。ははは。

 

 

 ここ半月ほどまとまった文章を書いていなかったのだが、先日の夢の話はバーッと書き始めて30分くらいで2000字の文章が完成してしまった。見た夢の文字起こしという特殊性はあるにせよ、やはり取っ掛かりがあるとこういう作業は捗りやすい。文章を書くにしろ絵を描くにしろぼくは基本怠惰なのでインスピレーション待ちに近いところがあるのだが、先日読んだ本に「気分に関係なく書かないとダメ、日常生活に組み込んで習慣化させないと成功しない」と手厳しい意見が載っていて、そしてこれはおそらく9割方正しくて、たとえば東野圭吾なんかはどんなに酔っ払って帰宅しても必ず原稿用紙2枚分の文章を書くというルールを設定していたそうだ。やはり大成する人間は違うのだなぁと世俗的かつ凡庸な私見を付け加えながら相変わらずぼくはこの文章をたらたらと書き流している。さっきからスマホがブーブー唸ってぼくを呼んでいるがそんなことは気にしてはならない。

 


 なぜ雑文を書くのか、その目的は何かと聞かれれば、一義的には起きたことあるいはその時に感じたことの記録、いわば日記的な側面からという回答になる。あるいは二義的には、自己の体験や思考をどう他人に伝えるかの試行錯誤だともいえる。ぼくの文章を面白いとか興味深いと言ってくれる人がいることには心から感謝をしているが、ぼくより優れた文章を書く人間などこの世には掃いて捨てるほどいる。その中であえて書き続ける理由は何かと聞かれれば、これはもうぼくの体験や思想はぼく自身にしか語れないからであって、それが少なくともぼくにとっては特別な行為だからだ、と言うしかあるまい。そういうのがアイデンティティーとか呼ばれる。格好良く言い換えれば自己と世界との距離の確認。コスプレなんかしているのもそのへんが理由かもしれないな。常に世界に背を向けて我が道を行けるほどぼくは強くはない。

 


 さて、この日記を開いてここまで読み進めた人はおそらく全体の3割にも満たないはずだ。いまこの文を呼んでいるあなた、おめでとう。そしてお疲れ様でした。プレゼントでも差し上げたいところだが、そもそもこの文章にオチを用意していない時点でプレゼント贈呈とかしゃらくさいですね。スペース余ったので最後に般若心経でも載せておこう。観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受・想・行・識亦復如是。舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意無色声香味触法。無眼界乃至無意識界。無無明亦無無明尽乃至無老死亦無老死尽。無苦集滅道。無智亦無得。以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪、能除一切苦、真実不虚。故説、般若波羅蜜多呪。