ノラブログ。               

 
 
 
 
 

「早稲田大学社会科学部って何してる学部なんですか?」という疑問に応えつつ答えない。

 

こんな画像がリツイートで回ってきて笑った。

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ぼくの出身は-いちいちぼかす必要もないのでこの際言うが-早稲田大学社会科学部である。もともとは夜間学部として作られ長い伝統を持っていたのだが、20世紀末に昼も夜も授業を行う昼夜開講制となり、ぼくの卒業と前後するくらいのタイミングで昼間学部に移行した。

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 社会科学部(通称シャガク)は、長らく「滑り止め学部」として政経学部や法学部をはじめとした他学部からイジられるキャラであった。野坂昭如作詞と伝えられるこんな替え歌がある。(おもちゃのチャチャチャのメロディで)

 

♪社学のシャララ 社学のシャララ

シャララ社学のシャララ

空にキラキラお星様 みんなスヤスヤ眠る頃

社学は家を飛び出して 向かう社学のシャララ

 

こんな感じで馬鹿にされる一方、文学部と並んで古き早稲田の学風を色濃く受け継いでいると云われるのも、また我ら社学の特徴であった。ぼくの在学中ですら、革マル系の社学自治会は大学当局と毎日のように喧嘩していたし、ノンポリの一般学生の気質もどこかスネているというか、反権力っぽい雰囲気は確かにあった。同級生は株でいろいろやらかして逮捕された。以前述べたように必修は英語の4単位だけで残りの120科目は好きにとることができたので、モグリや他学部聴講も頻繁にやったものである。とにかく自由だったのだ。

 

さて、今や完全にフツーの学部になってしまったらしい社学であるが、どういうわけか偏差値が急上昇し、今や法学部を追い抜いて早稲田大学第二位にまで躍り出ているようだ。もともと滑り止め学部のため倍率自体は高かった(僕の受験時は確か10倍くらい)のだが、どうも世間は何か勘違いしているように思えてならない。法学部蹴って社学に行くバカが出たらどうするんだ!(ワクワク)

 

 

偏差値がちょっと上がったからといって、学内や世間におけるヒエラルキーはそう簡単に変わるもんじゃない。少なくともまだまだ「社学」は「シャガク」であって、なんだかんだで社学自身もそのいびつな愛され方に居心地の良さを感じていたりする(じゃなきゃこんな記事書かない)。学歴オタクが根本的に分かっていないのはそのあたりだ。ちなみにスポーツ以外のほぼすべての面で早稲田が慶応に負けているのは、ぼくの在学時から早大生なんかみんな承知しているのでいまさら言うべきことでもない。

 

 

さっきの画像で例えられているギリシャほどではないにせよ、早稲田も慶応も100年以上の歴史を持っている。「校風」ってのは予備校の弾き出した数ポイントの数字の差や、それに一喜一憂する学歴オタに左右されるほど脆弱じゃないのだ-もちろん、盤石ではないにせよ。