ノラブログ。               

 
 
 
 
 

【日々雑感】死んだ目をした少年

 

3月13日「アキバ外国人ガイド」

秋葉原の研修センターでTOEICを受けてきた。別にそのせいではないだろうが、いつも以上にこの街を歩く外国人観光客は多く感じられた。アニメ絵柄の巨大看板が物珍しいのか、そこかしこでパシャパシャとカメラのシャッター音が聞こえる。

 

・ところで海外のガイドブックだと、アキバはどう紹介されてるんだろうか。欧米では順当にポップカルチャーの街として、中国では相変わらず家電の街ということになっているのか。見たところ、特に目的もなくプラプラ歩いているのは西洋人が多く、東洋系の人たちはあらかじめリサーチした場所を順に巡る任務遂行型の観光をしている人が多いような気がする。  

 

村上龍の『イン・ザ・ミソスープ』という小説は、外国人向けに新宿の風俗店ガイドをやっている青年が主人公だった。あれと同じように、秋葉原で通訳兼観光ガイドとかやったら儲かるんだろうか。というか、個人・企業ともに、すでにやっている人は結構いそうである。一緒にメイド喫茶行ったり、ヨドバシで大量購入した炊飯器を両手に持たされたりするんだろうか。楽しいけれど飽きも早そうだな。

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

 

 

 

 

 

3月14日「死んだ目をした少年」

『台風のノルダ』鑑賞。制作は、自主制作アニメ『フミコの告白』で一躍その名を轟かせた石田祐康らを擁するスタジオコロリド。30分くらいの短編アニメである。 

台風のノルダ DVD通常版

台風のノルダ DVD通常版

 

 ・どこかで見たことがあるかのような作風で新鮮味はあまりないが、雰囲気は悪くない。が、声優(俳優)の演技が下手くそすぎて物語がまったく頭に入ってこないのには閉口した。なんでプロの声優を使わなかったのだろうか。監督をはじめとした制作陣は、この出来上がりで本当に満足しているのか。スタジオコロリドは個人的に応援したいのだが、これではさすがに褒めることもできぬ。次回作に期待するしかない。

 

・観終えたあと、ぼくの目は完全に死んでいた。銀色の髪のアギトを観たときと同じだ。

 

 

 

 

3月15日「もう作らなくていいよ。」

『96時間/レクイエム』鑑賞。リーアム・ニーソン演じる元CIAの親バカ父ちゃんが家族のために頑張る人気シリーズの最終作。邦題の「96時間」どころか、原題「taken」(誘拐)要素も完全に消え、たんなるフツーの-といっては褒め過ぎか-ちょっと出来が悪い、どこにでもあるような大味アクション映画に成り下がっている。

・アクションシーンの多くはリーアム・ニーソン自身がスタントを使わずに頑張って演じているらしいのだが、その努力も虚しくなるほどに演出がひどい。特に中盤のカーチェイスシーンの撮り方、見せ方の下手くそさったらない。一見スタイリッシュな細かいカット割りでごまかされるほどきょうびの観客の目は甘くないのである。監督は2作目と同じ人(オリヴィエ・メガトン)なのだが、どうしてこうも極端に出来が悪くなってしまうのだろうか。やる気なかったんだろうか。

 

・名優フォレスト・ウィテカーの出演も焼け石に水。世間的にも評価は散々で、続編の可能性を聞かれたリーアム自身も「もうないよ」とコメントしたそうな。うん、もう作らなくていいと思うよ。

 

 

 

 

3月16日「こんにちは、ショーンKです」

・テレビを見ないのでショーンKという人はまったく知らんかったのだが、まぁ要するに経歴の何から何まで嘘だったわけで、世間から袋叩きにあっていてちょっとかわいそうである。人は見た目が9割」(+肩書きが残りの9分)をまさに身をもって実践してくれたわけで、かしこまっているマスコミや知識人、視聴者をここまで騙しきってくれたのはむしろ痛快であり、なんなら尊敬の念すら抱いている。「クヒオ大佐」みたいに映画化されるかもね。主演はご本人か、北村一輝でお願いします。

 

・もともと美声がウリの人だし、トークスキルも悪くなかったそうだから、開き直ってうさんくさいニセ外人キャラとして売っていってくれたら面白いんですけどね。出所した清原と色黒コンビでしくじり先生に出て、そのあとたけしの番組で罰ゲームでもしてもらえばみんな許してくれないかしら。今や芸能界も禊(みそぎ)が難しくなりつつあるようだし、このままフェイドアウトしていくのだろうか。もったいないことだ。