ノラブログ。               

 
 
 
 
 

【雑記】我が家とあなたの事情

 

 コミケ&となコスで次郎ちゃんをやったおかげか、肩だけ日焼けして皮がむけた。

 誠に遺憾である。

 

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 中学時代の友人が会社を辞めて気ままにニートしていて、先日暇を持て余して東京に遊びに来た。一緒にアキバを巡って島風のフィギュアを眺めたりスーファミのソフトを探して懐古にふけったりと一応観光らしいことをしつつも、結局最後は俺の家でニコニコ見たり漫画読んだりしてダラダラ過ごす事になってしまうあたり、ガキの頃と変わらんなぁと思う。

 

 

 家に人を呼ぶのは結構好きだったりする。

 自慢ではないが、という前置きをして自慢するが、我が家はアラサー男子の一人暮らしにしては相当綺麗にしている自負がある。元来、部屋が散らかっていると集中できない性分なので、ふと思い立つと暇にあかせて掃除を始めてしまうのだ。せっかく部屋を復興したからにはこの努力を還元したい、この整然たる秩序を眺める感動を他者と共有したいという欲求がふつふつと沸き上がってくるわけで、要はせっかく掃除したのだから汚れる前に誰か来いよって気にもなる。

 

 ところで自宅で誰かと一緒に過ごすというのは、相手が親しい間柄であってもそれなりに神経を使うものだ。

 気の置けない友人と自宅で過ごすのはこの上ない楽しみであるが、同時に眼前に広がる巨大な空洞-空間的、時間的な空洞-の存在に思わず気後れしてしまった経験は、誰しもあるのではなかろうか。いわゆる「手持ち無沙汰」というやつだ。

 

 

 たとえば飲み会や喫茶店などで友人と同席する場合、この空洞は発生しない。理由は2つあって、ひとつは他者の目が介在する空間であるため、もうひとつは時間的なゴールが設定されているためだ。

 

 居酒屋や喫茶店では常に自分と相手以外の第三者の目が介入する。たとえ他に客がいなくとも、そこが第三者によって設定された半パブリックな空間であることに変わりはない。俺が自宅のテーブルに飛び乗って全裸で情熱的なサンバを踊ったところで文句を言うやつはいないが、午後8時の鳥貴族松戸支店でビール片手にそれをやれば間違いなく店員に引きずり降ろされる。

 また、これらの場に長居することはできない。店が閉店になれば退去せざるを得ないし、24時間営業のファミレスや終電後の公園であっても、俺にも相手にも「帰宅」という時間的なゴールが設定されている。ゆえに滞在者は、常に「終わり」を意識しながら会話し行動することとなる。

 

 こうしたわけで、他者が介入し滞在時間に制限を加えられた空間には、その公共性と刹那性に基づいたある種の「緊張」が発生する。それが滞在そのものに目的意識を持たせ、時にはこの限られた時間を充実させようという使命感をも抱かせる。しばしば飲み会が終わりに近づけば近づくほどトークが盛り上がったりするのは、我々が無意識にその使命感に突き動かされているからじゃないかと思う。

 

 ところが自宅に相手を招く場合、他者の目も時間の制限もない。もちろん人によっては同居する家族の目はあるし、客はいずれ帰るわけだが、家族が俺の部屋における友人との会話内容を逐一盗聴しているわけでもないし、客が帰った後もこの空間での自分の生活は続いていく。

 

 ここには喫茶店や居酒屋における緊張はないが、反面、「他者の目」も「終わり」も設定し得ないゆえの漠然とした不安がつきまとう。先ほどはそれを「空洞」と称したが、確かにそれはぽっかり空いた「穴」と呼ぶにふさわしい、ひたすら宙を掴むような漠然とした状態だ。制限が取っ払われた自由空間ゆえの不自由な感覚。それをいかにマネジメントするか、ゲストをいかに退屈させず共有時間を有益なものにするかが「招く側」、すなわちOMOTENASHI側の腕の見せどころである。ここにはじめて、ホスト側の「緊張」が発生する。

 

 一方、誰かの家に招かれる立場にあったとして、これはこれでホスト側とは別種の緊張が生まれる。

 俺は家に足を踏み入れると、その人の「におい」をよく感じる。別に体臭とかのことを言ってるんじゃなくて、単なる「におい」。それは実際のところその人が普段つけている整髪料や煙草、家の材木、家具などに由来していたりするのだけれど、敷居をまたぐなりそうした「他人の空気が充満する場」の存在を感じると、ああ俺は異空間にいるのだ、ひとさまのパーソナルスペースに足を踏み入れるのだという覚悟が芽生えてしまう。ホスト側の緊張がひしひしと伝わるがゆえにこちらも身構えるのだ。

 

 まとめると、パブリックな場における緊張と私的な空間における緊張は違うということだ。

 しかしまぁ本質的にはそんなことはどうでもいい。誰か来いよ。

 

 

 とりあえず男ばかり招いて映画鑑賞会をやりたいよね。酒入れて、野郎7-8人くらいで観たほうが絶対面白い映画ってあるじゃん。ボンクラどもを集めてボンクラどものための会合を開くのが当面の目標。実現に問題はなかろう、なにしろ常日頃からボンクラの棲む家なのだから。

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