『ジュラシック・ワールド』は恐竜アイドル映画としてきわめて正しい
『ジュラシック・ワールド』(2015・米/2D字幕鑑賞)
『ジュラシック・パーク』の惨劇から22年後、島はテーマパーク「ジュラシック・ワールド」として生まれ変わり、今や世界中から旅行者が訪れる観光施設として人気を博していた。そんな中、遺伝子操作によって生み出された新種のハイブリッド恐竜「インドミナス・レックス」が脱走、高い知能と身体能力で次々と人間や他の恐竜を殺害し始める。島全体がパニックに陥るなか、小型恐竜ラプトルの調教師であるオーウェン(クリス・プラット)らは、被害を止めるべく決死の戦いに挑む。
67点
ひとこと:
社長wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
『ジュラシック・パーク』ってもう20年以上前の作品だけど、みんな観てますかね。
続編(『ロストワールド』『ジュラシック・パークⅢ』)が微妙な出来だったゆえに1作目しか観てない、あるいは覚えてないって人は多いと思う(僕もそうです)。
今回の4作目ですが、あらすじからも分かる通り、はっきり「1作目のリメイク」ってコンセプトで作られています。「楽しいパークが血みどろの修羅場に!」とか「子供が酷い目に遭っちゃう!」とか「何やら企んでいる人間側の悪役がいるゾ-!」とか初代との共通点は多いし、1作目に登場した施設が廃墟として登場したりと往年のファンには嬉しい小ネタも用意されています。
ところで、このシリーズって「水戸黄門」だと思うんですよ。すなわち、愛すべきワンパターン。
だって、やってることは全部「人間がアホすぎたせいで恐竜が大暴れして主人公たちもヤバかったけどなんか助っ人が来て助かったぜぇーやっぱ自然は自然のままが一番だねHAHAHA」じゃないすか。いやそれがダメって話じゃなくて、要はそういう映画と割りきって楽しむのが正しいってことですよ。別に重厚な物語とか人間ドラマとかを俺たちは求めてないわけ。恐竜たちの活躍が見たいわけ。
冷静に見れば今作含めてツッコミどころなんか死ぬほどありますよ。相変わらず人間アホすぎねぇ?とか、このパークそもそも人手不足すぎね?とか、さっきまでいたはずのモブがいきなり画面からフェイドアウトしてる件とか、社長あんた何やってんすかとか、あのイギリス人女性が何をしたっていうんや…(´・ω・`)とか。
いい人なんだけど面倒臭い社長(海馬コーポレーションCEOを見習え)
性懲りもなくクソガキ2名が食われかけたり終盤で主人公一行が恐竜に囲まれて大ピンチになったりしてますけど、こいつらが本当に死んじゃうかも~ってマジで心配しながら観てる客っていないでしょ?クライマックスも、来るぞ来るぞ~ってワクワクしてたら本当に予想通りの展開が来るし。
脚本はベッタベタ、かつ穴だらけですよ。でもそんな瑣末なことを気にするのは野暮ってもんでしょう。繰り返すけど「だが、それがいい」んですよ。「この紋所が目に入らぬか!」「ハハー!」で充分カタルシス得られるじゃないですか。雄大な景色をバックにあのテーマ曲がかかっただけで「アガる」じゃないですか。観客はそれを求めてるんだし、作り手はちゃんとそれを分かった映画作りをしていますよ。
正しい鑑賞態度の例
アートディレクターの高橋ヨシキさんが本作を「恐竜歌舞伎」と表現されていましたが、上手いこと云うなぁと感心しましたね。たしかにTレックスの登場シーンとか、三味線の音が聴こえてきてもいいくらいだと思います。ラストシーンでは拍子木の「カン、カン、カン」って音にあわせて幕が引かれるんだろうな。いいねぇ。
僕なりの表現をするなら、本作はアイドル映画ですね。恐竜のアイドル映画。
ティラノたんキャワイイ~~~~(≧▽≦)とかラプトルたん(;´Д`)ハァハァとか身悶えしながら観るのが良いと思います。なんかガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの主人公とかアパートのプールで泳いでた自称精霊とか微笑みデブとかが画面にチラチラ映っている気がしますが、あれはモブなので気にしなくていいです(いや、人間キャストの皆さんの演技は普通に良かったですけどね)。エンドロールとか、もう恐竜たちの軽快なダンスで終わってもいいくらいじゃないかなぁ。次回作でぜひ採用をお願いしますよスピルバーグさん。
宇宙でタヌキと喧嘩してた人
シャマランは世界を救うとか言っちゃう人
サー!イエス、サー!
ま、映画館で観るべき映画なのは間違いないですな。でっかい生き物は大画面で楽しみたいじゃん?
1800円分は問題なく回収できること請け合いですヽ(´―`)ノ