ノラブログ。               

 
 
 
 
 

面白いウソ、面白くないウソ

 

1月5日「面白いウソ、面白くないウソ」

・映画『エイプリルフールズ』を観る。4月1日の東京を舞台に、登場人物それぞれがついたウソが波乱を巻き起こしていくさまを描いた群像コメディである。

・この手の「記念日系群像劇」というと、ゲイリー・マーシャル監督の『バレンタインデー』『ニューイヤーズ・イブ』が思い起こされるし、本作のポスターなんか見ても明らかにそれを意識しているのが分かる。肝心の出来はというと、そもそもこの2本にしたってそう褒められたものではないところに、それをさらにベタでダサくしたような、至極残念な仕上がりになっている。

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・少々クスッとしたりジンときた場面はなくもない。が、それ以上に不快な描写が多すぎて嫌になる。たくさんの職業の人が出てくる映画だが、そのどれもが仕事を馬鹿にしているようにしか見えない(特に風俗嬢の描き方は目に余る)。あといい加減、役者にオーバーアクトさせときゃ笑いがとれるみたいな風潮は排されるべき。心底貧乏臭いのだ。

・俳優陣は頑張っている。クズのヤリチンを演じる松坂桃李、コミュニケーション障害を演じる戸田恵梨香のコンビは良かった。一見悪役かと思いきや、さっぱりとした性格の美女を演じる菜々緒も好演。 

 

 

 

 

1月6日「正義の味方にご用心」

・ディズニーのおそ松パーカー晒し。公式が問題ないって言ってんのに、「不快に感じる人がいるからダメなものはダメなんです!」って、まさかそう言うあんたの普段の顔面や服装を不快に感じる人はひとりもいないって考えるのかスゲー自信だな。少なくとも俺はないぞ、そんな自信。

・って言うと「じゃあ貴方は公共の場で立ちションしてても不快じゃないんですか」みたいなメンションが飛んでくるわけだけど、俺は不快だけど不快に思わない人だっているでしょうねとしか言えんわな。そのへんを最大公約数的に線引きするために法律や条例や遊園地のルールなんかがあるわけで。

・俺自身も街中で(イベントの時以外で)コスしてる人とか見ると「コポォw」ってなるんですが、それはあくまで俺の基準であってそれに一般性を付随させるのは誤りって話じゃないかと思うんですよね。どっちかというと「こいつらマナー違反!晒しちゃえOK!」的な、狭量で尊大なクソ正義のほうに怒っておるのだ俺は。

 

 

 

1月7日「伝説の…教師」

・15年ほど前に日テレで放映されていたドラマ『伝説の教師』SMAPの中居くんと松本人志主演の学園ドラマなのだが、ときどき松ちゃんがアドリブでギャグを入れてそれに中居が返すという場面が多かった。

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・「聞き取りやすい早口」でマシンガンのごとく笑いを挿入する松本も凄いが、笑いをこらえつつそれに的確に応酬する中居もすさまじい。2人が本気で笑ってしまって台詞が続かなくなる場面やモブの生徒たちが吹き出してしまう場面まであり、どこまでが脚本でどこまでがアドリブなのか、何回テイクを重ねたのか、観ている側からはさっぱり分からない。学園ものとしては設定もなにもかも滅茶苦茶なドラマだったが、こういう、勢いで突っ走る面白さは確かにあった。

・現在にいたるまでソフト化はVHSのみでDVDは出ていないらしい。配信とかもたぶんやってないのかな。いまの若い世代が観ても色褪せずに楽しめるドラマだと思うのだが。