ノラブログ。               

 
 
 
 
 

あえてペーパーテストを礼賛してみる

 

 大学入試で「人間力」をはかれ―すなわち、面接などで受験者の性格やら人格を評価しろ―と叫ぶ者がいるらしい。

 

 アホである。この手の「人間性重視」路線はこれまで幾度となく失敗しているのだが、どうにも大衆は懲りない。体よく実験動物にされた我々ゆとり第一世代の気持ちも少しは考えていただきたいものだ。

 

 受験科目に「人間力」が加わったとする。まず数年は手探りで、面接官の好みや受験生の容姿によって選抜される不公平かつ不透明な状況が続くだろう。その後「人間力」試験は体系化・マニュアル化され、難関校や予備校の一科目としても加えられるようになる。

 さすれば再び受験秀才たちの天下だ。彼らは要領がいいので、「受験科目」と化した「人間力」試験などやすやすと対策し、突破していく。

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「たかが」受験勉強であり「たかが」ペーパーテストである。「たかが」であることが「救い」なのだ。

 数学や国語ができなくとも、スポーツや芸術など、学力以外の分野で自分の活躍できるポジションを見つける人など山ほどいる。しかし「人間力」試験なるものが導入されれば、勉強が苦手な子供たちはここでも不利に置かれる。

 

「学力」に加えて「人間力」まで否定された受験生は、どうしたらいいのだ?