通過儀礼としての初恋
1月31日「通過儀礼としての初恋」
・『イニシエーション・ラブ』(15・日)視聴。乾くるみの小説の映画化である。監督は堤幸彦、主演は松田翔太と前田敦子(あっちゃん)。堤さん、去年は大忙しだなぁ。
・元々玄人筋の評価の高かった乾くるみだが、テレビで本作が紹介されて一気にブレイクしたのは記憶に新しい。ごく普通の恋愛小説が、ラスト2行でいきなりミステリに変貌してしまう。その仕掛けの周到さは大したものだが、種明かしをされるまでがややかったるく、個人的にはそこまで高く評価はしていない。
・この小説ならではのトリックを映像化するにあたり、堤監督は奇策に打って出た。言われてみればたしかにこの方法しかないとは思わせるが、まさか本気でやってしまうとは。その蛮勇は功を奏し、原作未読者はもちろん、原作ファンをもあっと言わせる愉快な映画化となっている。
・全編を通して流れる80年代ミュージックも心地良いし、松田翔太のクズ演技も見事だが、やはり白眉はラストシーンの前田敦子の笑顔だろう。悲劇と喜劇は紙一重。不謹慎な笑いがこだまする、その可笑しくも哀しいクライマックスは必見である。
2月1日「高田馬場ブルース」
・高田馬場の「力」にて薫さん、りゅーとくん、黒猫先生と飲む。大学時代は毎日使っていた高田馬場駅だが、社会人になってからはすっかり来なくなってしまった…と言いたいところだが、実はいまだに月イチくらいのペースで使っていたりする。早稲田松竹で変な映画を観たり「しゃーせー」って叫ぶラーメン屋で腹ごしらえしたり悪友と呑んだりと、この地には毎回それなりに用事があるのだよ。
・アニゲ(クラブのアニソンイベント。コスプレ可)に誘われた。コスとは特に関係のない大学時代の友人・トム太郎(マジキチ)が黒猫先生と知り合いで、その縁もあって前から興味はあったのだ。行くかどうかは、ちょっと現在悩み中。体力が余ってたらちょこっと顔出してみようかな。
・「ノラさん毎回下ネタ入れてくるよね」と言われた。ちんこ。失礼な。ちんこ。高潔な私に限ってそんなはずないでしょうが。ちんこ。ちんこ。ちんこ。
2月2日「思考のギアチェンジ」
・岡田斗司夫『頭の回転が速い人の話し方』再読。去年の愛人騒動以降、すっかり世評がアンチに傾いてしまったオタキングであるが、この本は結構―というか、かなり面白い。5年ほど前から彼が主張していた「戦闘思考力」なる概念についての解説が中心となる。
頭の回転が速い人の話し方――あなたの会話力が武器になるユニバーサル・トーク×戦闘思考力
- 作者: 岡田斗司夫
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・「戦闘思考力」とは、要するに「思考=ギア」を使い分けることを意味する。
トップギアは、高速で思考が回転している状態。その場で考えたこと、思いついたことをポンポン口に出す。重要なのはスピード感であって、正確性は二の次である。
普段の状態はミドルギア。これは落ち着いて物事を考えている普段の状態。
低速のローギアは、人の話を聞くときに使う。「自分で考える」ことはせず、ひたすら相手を理解し、共感するように務める。「聞き上手」に徹することが重要だ。
これら3パターンのギアを状況に応じて自在に使い分け、コントロールできるのが「頭の回転の速い人」だという。
・相手との信頼関係を作り出すことが大切と繰り返し強調されているのが興味深い(先日読んだ『心に入り込む技術』もそんなニュアンスだったな)。相手を打ち負かして得るものは少ない。相手との対話を通じて相手を知り、共感し、コミュニケーションを通じて双方にとっての最適解を作り出すのが「会話」の目的である。
・読みながら要点をノートに整理していたのだが、読み終えるとかなりすっきりとしたまとめが完成していて驚いた。やはりこの人は頭がいいというか、要点を押さえるのが上手い。内容もいちいち「共感」できてしまった。こういう方法で女の子たちも口説いたのかな、と邪推はしてしまうけれど。