ノラブログ。               

 
 
 
 
 

「たくさんのいいね、ありがとうございます」ってどうよ。

 

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こんな感じで自分のコス写真のツイートにセルフリプライをつける光景、この界隈ではよく見る。

 

むろん読者諸賢はお察しの通り、彼女あるいは彼がこのリプを飛ばした主目的はフォロワーから与えられたハートの累積数にたいする純粋な感謝の気持ちなどではもちろんなく(もちろん多かれ少なかれそうした気持ちはあるだろうが)、セルフリプによってもう一度写真をタイムライン上に押し上げ、あわよくばさらなるRTまたはいいね等の反応を得ることにある。じゃなきゃいちいち毎度毎度わざわざ自分の写真にくっつけて感謝の言葉なんか述べませんってーーーやだなーーーもーーー。と言いつつ俺もこの手の工作はたまにやったりするのだテヘッ。ていうかさっきやりましたテヘッ。半分はこのブログのネタのためですテヘッ。でも俺なんかかわいい方であって(←さりげなく擁護)、中には50とか100とか一定のカウントごとに「◯◯いいねありがとう」みたいに律儀にリプをつける者もいる。これはもう行為が半形式化されてしまい行為者に何の感情も喚起しない境地に達しているのではないかと余計な心配をしそうになる。

 

いま「感情を喚起」といったが、そう、通常、たぶん行為者自身もこの行為が「アチャー」というか、表立ってやるべきでないというか、なんとなく恥ずかしげなものだということは分かってやっているはずなのである。なぜそんな感情が芽生えるかといえば、そういうセルフ宣伝みたいな行為、あるいは自己顕示を表立ってやることを恥ずかしいとかみっともないとする風潮が現状コスプレ界には根強くあるからである。そうした風潮についての是非はここでは論じないが、何はともあれセルフリプはこっそりやるものである―――と皆が信じている。ていうか本来ならばセルフRTをガンガン利用すればいいのだが、それだと鬱陶しくなるからたまにセルフリプという変則的な手段を使うのである。だからみんな「もっと私を見てー」じゃなくて「いいねありがとう」みたいなおためごかしでお茶を濁すわけでしょう(たまにストレートに「見てー」とやっている漢らしいひともいる)。そして周囲もそうした感情や葛藤を考慮して「ハイハイ」って苦笑いしながらたまには反応してあげたりするわけでしょう。ワーオ、美しい人間関係。配慮。友愛。日本的優しさ。OMOTENASHI。東京オリンピックビッグサイトどうなるの~

 

なんか煽ってるように聞こえるかもしれないが別にそんなつもりはないです。たかが趣味であるコスプレになにか神話性を求めて勝手にローカルルール作って毎日糾弾会開いてる阿呆どもに比べれば、数字稼いでやるぜヒャッハーな人らのほうがむしろ潔いとすら思う。まぁでも、行為してる自分に対する「テヘッ」な態度は大事にしていくべきだと思うのだな。別に自己嫌悪とかには陥らなくて良いと思うし、かといって過剰な自信を両手に抱えながらオラオラ全開で来られてもちょっと困るというか「えっ、すいません死んでください」となるのだが、自分を三人称で見て、時にちょっと気恥ずかしくなったり半笑いになる程度に客観視できる、あるいは自分を愉快に嘲笑できる視点を持ち続けるのがこの趣味をそこそこ楽しみながら続けていくのに肝要だと思うのだな。また老害くさいことを言うけど、それができずに潰れていった人たちをたくさん見てきたからね。

 

 みんなもっと自分を笑うべきですね。真剣じゃなく鼻くそをほじりながら。糾弾ではなく議論ごっこのテンションで。どうぞみなさま、FUKAIではなくYUKAIなコスプレライフを。ぶははははははははははははははははははははははははははは。ではまた。