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ノラブログ。               

 
 
 
 
 

【雑記】エイプリルフールという悪夢

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 エイプリルフールである。

 「どうです、面白いでしょう」という広告代理店もしくはオールラウンドサークル系のドヤ顔がそこかしこに溢れ出すこの日が僕はあまり好きではないのだが、僕個人の感情とは関係なく、世界的に4月1日はどんな虚偽を垂れ流しても許される日ということになっているらしい。せっかくこんなコミュニケーションの徳政令みたいなものを設けるのであれば、ついでに誰を刺し殺しても許される日とか一日くらい作って欲しいものだが。

 ちなみに「嘘をついても良いのは午前中まで」とか「今日ついた嘘は向こう一年叶うことは無い」といった言説をこの24時間だけでも3桁近い回数見かけている気がする。それ自体がウソか本当か確かめる気力すらいまの僕にはない。

 

 昨晩は布団の中で、先ほどまでは電車の中でしばらく各SNSのタイムラインをぼやーっと眺めていたが、印象としてはボケに失敗して怒りを買っているケースが意外と目立つ。たとえば某IT系企業は事前に発行者に相談なくメルマガの文面に珍妙なネタ(たいへん面白くない)を仕込んだために、メルマガの発行者である評論家から名指しで盛大なディスを食らっているし、事故やら病気やらといった洒落にならない不謹慎ボケをかまして総スカンをくらい、新年度早々ファイヤーしている学生や社会人もひとりやふたりではなさそうである。

 

 もっとも、そうした炎上案件というのは全体から見ればごく一部で、大半は「もぉ〜びっくりしたぁ(●`ε´●)」といったヾ(*´∀`*)ノキャッキャウフフ系コミュニケーションが穏やかに成立しているケースがほとんどなのだが、そうした「あたたか〜い」ボケは総じて面白くない。面白いネタを求めると、どうしても不謹慎、ブラックジョーク、炎上スレスレ案件が中心になってしまうのが難しいところだ。

 

 それにつけても思うのが、エイプリルフールという行事の残酷さである。

 だってそうでしょ。これほどまでに全国民が自分のギャグセンスをシビアに試される機会って無いのではないか。面白いネタには称賛のRTが重なり、そうでないものには型通りの無内容なご挨拶が重なるか、あるいはひたすら無視される。危険なネタへの期待値は高いが、少しでも匙加減を間違えればそいつの人生が冬になる。まさしく一億総お笑い芸人化時代、エイプリルフールは国をあげた爆笑オンエアバトルである(局もNHKだしね)。あぁえらいこっちゃえらいこっちゃ。ちなみに高い評価を得ても1円の得にもならないどころか増税でむしろ3円余計に取られる可能性すらあるので、このクソゲーに参加する理由など一分もない。映画の日なんだからいつもより安い料金で新宿バルト9にでも繰り出したほうが余程上等な時間と金の使い方というものだ。

 

 少し前、虚構新聞まがいのウソコラムを連載していたライターが記事取り下げを食らった案件があったが、あれは許されるラインの線引きを思いきり間違えていたのもあるが、それ以上に記事そのものが戦慄するレベルで面白くなかったことが衝撃であった。どうもこの時代、中途半端な「ウソつき」は生きづらいようだ。そんなわけで僕は今年も沈黙したまま4月1日を終える。ナンシー関くらいのギャグセンスがあれば、僕も今頃ネット時代の寵児として活躍していたのだろうが。

 

小耳にはさもう (朝日文庫)

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