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【新作映画レビュー】海!広い!敵!悪い!倒す!以上!お疲れ様でした!『アクアマン』感想

 

【2019年:11本目】

 

アクアマン

 

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84点

 

 

 

 


ひとこと:
キャッキャウフフ(´∀`*)

 

 

 


ハリウッドにおいて、海ものはコケるというジンクスがあるそうな。
『ウォーターワールド』しかり、『アイランド』しかり、『スピード2』『ポセイドン』しかり。
そんな中、本作『アクアマン』は興行的に大ヒットを記録、批評的にも高評価と、神話を覆す快進撃を続けております。

 

 

でさあ、巷の評判では、海版バーフバリだとか海版ワイスピだとかバカのシェイプ・オブ・ウォーターだとか言われているわけですよ。そんなもん期待するに決まってんじゃないすか。で、結果としてその期待は裏切られなかったのでした。面白かった。ちなみに俺はハリウッド版さかなクンだと思いました。

 

 

まー何がGOODかって、明るいっすね!

明るいのが良いっすね!とにかく明るいアクアマン!


だってほら、『ダークナイト』以降、ここ10年くらいのヒーロー映画ってなんかノーラン路線というか、暗いのばっかりだったじゃないすか(アントマンとかもあるけど)。古き良きアメリカ産のおバカなエンタメが世を席巻していた時代、ウィル・スミスが宇宙人を殴ったりブルース・ウィリス小惑星に送り込んだりして観客がゲラゲラ笑いつつも燃えて(萌えて)いたあの素晴らしき時代はどこへ行ってしまったのか。

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そこへいくと本作、たいへんバカである。そしてたいへん明るい。thereforeたいへん楽しい。何よりヒーローがウジウジ悩まないのがいいですね。善とは?悪とは?俺の存在意義とは?そんなことを考え始めてダウナーになる時間がほぼゼロ。「何のために戦うのか」とかグチグチやらないのがいい。うるせえ!こまけえことはいいんだよ!海!広い!敵!悪い!倒す!以上!お疲れ様でした!これでいいわけですよ。

 

そういう大味バカな作風が功を奏したのか、本作、全体的になんかほのぼのしてますね。
敵さん、オーム王ですか、彼あんまり悪い奴じゃないよね。なんか無関係の魚人いきなり殺してたのは見て見ぬ振りをするとして(おい)、「監禁」の方法もやたら紳士的だし、これからバトルってときに「できれば殺したくないから帰って(´・ω・`)」とか言い出すし。なんだよーもーお前も結局お兄ちゃんのこと大好きなんじゃん(´∀`*)ウフフ

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なんというんですかね、結局敵も含めてみんな主人公に注目しまくりだし主人公のこと大好きだから、バトルしててもルパンV.S.とっつあんみたいなキャッキャ感があるのよね。この不思議な安心感、予定調和感は『ミッション・インポッシブル』シリーズに近い。敵も味方もトム・クルーズが大好き。ていうかトム・クルーズをめぐる争奪戦。本作もアクアマンをめぐる三角関係。誰が彼を振り向かせるのか。アクアマンは私のものよ!いや私のものよ!的なノリ。メラちゃんもオーム王ちゃんもツンデレなのでなんだか困り顔のアクアマン。かわいい。

 

 

あと、本作の特徴として、主要キャラがほぼ死なないんですよね。だからこれでもかってほどのハッピーエンド。後味ヨシ。

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あ、でもあいつ死んでたか。ブラックマンタの親父。あれは…別にいいや(・ω・)しかし、あそこで助けてくれなかったからって逆恨みするブラックマンタの動機も謎。なぜさっきまで殺し合ってた相手に助けて貰えると思ったし。あれか、ヒーロー映画を観すぎたのか。そのあとオーム王にもらった武器のデザインが気に食わないからってすげえ楽しそうにDIY始めるあたりも微笑ましいですね。基本、努力家で向上心溢れる父親想いのナイスガイなんだと思う、彼。ちょっと無関係の人を殺しまくる癖があるのと被害者意識が強いだけで。でもデザインセンスに関しては疑問だねえ。あんな劇場版ドラえもんに敵の参謀役として登場しそうなデザインにせんでも。あとセンスが悪いといえばオーム王。オーシャンマスターだっけ。そんな、ユーキャンで3ヶ月講座を取れば取得できる資格みたいな名前にしなくても。

 

 

あと褒めポイントとしては、140分という長さを感じさせない脚本ですねえ。そう、実はけっこう長いんだよこの映画。でも退屈するシーンはほぼ無かった気がする。アトラクションに次ぐアトラクション。そして最後は王を讃えよ!アイ・アム・アクアマン!でフィニッシュ。うん、満足満足。

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強いて言えば、お魚ちゃんたちをもうちょっと活躍させてあげて欲しかったかな。意外とクラゲの出番が多んだよね(モニュメントになってるのとかも含めて)。俺あいつら嫌い。刺してくるから。次回作ではぜひそのへんお願いしたい。マンボウとかハリセンボンとか活躍させて。かわいいから。

 

 

ちなみに、アクアマンの親父を演じたテムエラ・モリソンと、バルコ役のウィレム・デフォーは、同じく海を舞台にした映画『スピード2』(1996)で共演しております。

スピード2 (字幕版)

スピード2 (字幕版)

 

 親父、こっちでは悪い人だったデフォー様に腕を折られたり海に突き落とされたり散々な目に遭わされております。今作でも若干死にかけてたしなあ。こちらは次作がちょっと心配。お大事に。

 

 

(2019.2.23鑑賞)