ノラブログ。               

 
 
 
 
 

民主党新党名公募から、ライブドア新球団名大喜利大会を思い返してみる

 

 民主党維新の党が合併するにあたって、新しい党名を募集している。

 

 Twitterハッシュタグなんか作っちゃったりして今風のキャンペーンなんか張っているが、案の定オモチャにされて大喜利大会と化していた。結局、「民進党」と「立憲民主党」という無難な2択に落ち着き、Twitter民の苦労はあまり報われなかったようである。

 

 ところで今から去ること12年前の2004年、当時球団買収に名乗りを上げたライブドアがネットで新球団名を公募したことがあった。

 昔懐かしいランキングシステムだったのだが、無制限に項目追加・投票が可能なシステムであったため、これまた2ちゃんねらーの遊び場と化していた。

 

 ちょっと長いが、ベスト100を引用してみよう(04年10月時点)。

 なお字は俺のお気に入りである。

 

 

 

 

1位 仙台ギャラクシーエンジェル

2位 仙台ジェンキンス

3位     ∩___∩

4位     | ノ      ヽ

5位    /  ●   ● | クマ──!!

6位    |    ( _●_)  ミ

7位 浦和レッズ

8位 雲行さんファン倶楽部仙台支部

9位   彡、   |∪|  、`\

10位  / __  ヽノ /´>  )

11位  (___)   / (_/

12位   |       /

13位 確かに女は金で買えるけどもう少し空気読め

14位 仙台エンジョイヘブン

15位   |  /\ \

16楽天

17位   | /    )  )

18位   ∪    (  \

19位         \_)

20位 したらばメンテナンス

21位 Online Striker

22位 exe ファイル 捨てたい

23位 仙台イレグイズ

24位 能登かわいいよ能登

25位 仙台ジャイアン

26位 マンコ

27位 ホリエ淫行札束ブタエモンズ

28位 仙台VIPS

29位    _  ∩

30位  ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!

31位   ⊂彡

32位 仙台ホーリーエンジェルス

33位 阪神タイガース

34位 富樫今週も休載かよorz

35カントリー娘。堀江貴文ライブドア

36ホリえもん ふる太と鉄人兵団

37位 仙台(゜л゜)フンヌさん

38位 Online Striler

39位 京ぽん

40位 仙台ライブドアリリアン

41位 仙台ラクリマクリスティ

42位 田代まさし

43位 ほっちゃーん! ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!

44水橋かおりんズ

45位 仙台・オブ・ジョイトイ

46位 山梨デンパーズ

47位 東北曾我サターンメガネッシュ

48位 細木数子「あなたは今、球団を持つべきではないわね。」

49位 仙台ケムコ帝国

50位 全米が ↓

51位 曾我サターン

52位 【ハゲ】切り込み隊長【社長】

53位 【中3】これが1位になったら妹の縦スジうpします【仙台】

54位 富樫今週も休載かよorz

55位 ドラゴンクエスト8 11月27日発売 仙台

56位 心を無くした大人が嫌い

57位 球界に参入したら負けかなと思ってる  ニート(24・男性)

58位 仙台TBC小田和正新番組「月曜組曲」 放送おながいします

59位 植草ミラーマン

60位 堀江黒Tシャツズ

61位 苺キンタマーズ

62位 仙台スクライダーズ

63佐藤琢磨

64位 仙台ライブドアーズ

65位 ライブドア(゜∀゜)ラヴィ!

66位 滝川クリステル

67位 曽我サターン

68ライブドアが負けそうになったら堀江が出て行って楽天をやつける

69位 売名行為

70位 松本コンチータ

71位 ID:1qXtAYY8

72位 ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!

73位 もし1位の球団名採用しなければ会社倒産するよ

74位 メイドさんしぃしー

75位 西村美保に捧ぐ愛と青春の野球団

76位 仙台ロサキネンシス

77位 曽我フレイム!

78位 平壌金正日ニダーズ

79位 ★どんな質問にもマジレスするスレッド501(本物)★

80位 ベガルタ仙台

81位 保守

82位 【潮吹き】手堀りホッキ漁始まる

83位 ヤンマーニ仙台

84位 したらばメンテナンス 

85ホリえもんと命知らずのタフガイ9人

86位 東北メガネッシュ

87位 能登ライブドアだよ能登

88カントリー娘。堀江貴文ライブドア)

89位 ジェンキン寿司

90位  ⊂彡

91位 仙台おにぎりわっしょいズ

92位 ジョルジュ長岡

93位 仙台ヌルポース

94位 後浦ほりえ

95位 ひろゆき2ちゃんねらー

96位 仙台どこでもドアーズ

97位 いえ~いめっちゃホリエ

98位 仙台えみりゅんズ

99位 仙台ドアーズ

100位 ヴァンヴァンヴァヴァン!ヴァンヴァヴァンダム!!

 

 

 仙台ギャラクシーエンジェルズ推しだったんだけどな。最終的には強豪・仙台ジェンキンスに敗れてしまった記憶がある。AA作ろうとしてたり、北朝鮮キンタマウイルス、キユ(漫画家)とか時勢を反映したネタが多くて懐かしいね。つーか同じ単語とか複数登録されてるし。当時のザルでドンブリ勘定なお祭りの雰囲気が微笑ましく思い起こされる。

 

 

 と、ここまで書いた時点で新党名は民進党に決定したとニュースが飛び込んできた。うーん、パッとしないね。台湾の民進党と区別つきづらいんですけど。いっそおもいっきり復古主義に「立憲政友会」とか、ちょっとブリテン風味に「労働党」とかにしたほうがまだ新鮮味があったんじゃないかと思いますが。まぁ小沢一郎も合流するみたいだし、党としての寿命もそう長くないだろうからいいんじゃないですかね。栄枯盛衰。諸行無常祇園精舎の鐘の声。

 

すいません(笑)

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ここ数日熱にうなされたりして死んでた関係でカイブやらTwitterやらLINEやら、もろもろ更新やら返信やら滞ってました。ごめんね!

 

熱は平常に戻ったのであとは喉がなんとかなれば全快です。はぁはぁ。
みんなとりあえず風邪には気をつけようね。いきなり高熱出てすぐに下がったかと思いきやジワジワ効いてきます。死ねクソウイルス。

 

まぁなんとか生きてるのでぼちぼちやるべきことやったらやるべきでないことやったりしようかと思います。とりあえず今からお菓子を食べます(やるべきでないこと)。
ではでは。

【日々雑感】じじいはともかく(大事なことなので3回言いました)

 

3月1日「こんにちは3月」

・こんにちは3月。さようなら2月。

とりあえず全国のスギ林を手当たり次第に焼け野原にしていきたい所存である。ファック。

 

 

 

 

3月2日「グリーン車に乗ってみた?」

・今月の19日、日帰りで京都へ遠征することになっている(国際交流会館で刀剣全振併せがあるのだ)。当然新幹線を使うわけだが、普通に乗ると片道14000円近く(のぞみ指定席)とか普通にかかるので、できるだけ安く済ませたいと思い日々思案していた。

 

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・「のぞみ」を使いたい場合、鉄道マニアではない一般人がさほど思考を巡らせずとも利用できる手段を用いた場合の最安値は、おそらくエクスプレス予約のIC早特と呼ばれる早割制度を使った場合の11800円である。エクスプレス予約とはウェブから座席予約ができ、かつ変更も無料でできるという優れものだが、専用のクレカを作らねばならなかったりと事前手続きが結構面倒臭いので、意外と利用している人が少ない。

 

・一方、「こだま」でもよければぷらっとこだまというシステムもある。こちらはなんと10100円で東京―京都間の指定席が利用できる。予約後の変更が不可だったり途中乗降できなかったりと細かい制約はあるが、お得感は強いので時間に余裕がある場合はぜひ選択肢に入れたいところだ。併せ自体は夕方に終わるため、帰宅には時間的余裕がある。今回は帰りを「ぷらっとこだま」にしてみた。

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・ところで「ぷらっとこだま」、驚くべきことに+1000円でグリーン車に乗れる。そして何を間違ったか、あろうことかグリーン車予約してしまった俺である。出費は増えてるのにお得感は3割増(当社比)。人生初のグリーン車、堪能してまいります。あひゃひゃひゃひゃひゃ。

 

 

 

 

3月3日「じじいはともかく(大事なことなので3回言いました)」

・以前こんなアンケートをとった。

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 それとはまったく関係なく、今月21日のあわせにてへしきり長谷部と三日月宗近のコスをすることになりました。うっうー。じじいはともかく、おだて組は似合わんからやらぬと言い張ってたのにこの体たらくですよ。あはは。

 

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 ・じじいはともかく(2回目)、問題は長谷部のほうっすよね。中分けウイッグって地味に鬼門じゃない?

俗に社畜と呼ばれてる彼のコスをすることについては現役社畜であるわたくしとてやぶさかではありませんが、これ地顔とメイクの出来が如実に反映されるよね。ひょっとすると黒歴史ワンチャンあり得るかもな-と、いまから予防線張っときます。写真がアップされなかったらお察しください。

 

・ところでじじいはともかく(3回目)光忠ってすっかりクソホモなイメージが定着しちゃいましたが、病みまくってる長谷部の二次創作も地味に好きですよ。審神者が長谷部と結ばれるために審神者をやめた途端に「女、お前はもう主ではない。気安く呼ぶな」ってマジキチスマイルで言い放つ絵とかあったじゃないですか。ああいう写真撮りたいっすよねー。

 

コスプレを始めて4年経ったので、振り返りながらいろいろ書いてみる。

 

 コスプレを始めて良かったことのひとつは、多くの人と知り合いになれたということだ。

 

 もちろん、コスを始める以前から同人などでそこそこ敏活に立ち回っていたため、それを介してできたオンラインの友人はいたし、今なお付き合いが続いている人も多い。
しかしコスで知り合った人びとの多くは、他の趣味とは明らかに異なった特質を持っていた。

 

 コス「ならでは」の知り合いの特徴は――“特徴づけられない”ことだ。

 

 典型的なオタクそのものといった風貌の者。飄々とした今時の大学生風の者。モデルのように瀟洒な雰囲気を漂わせた者。会社では善き上司であり家庭では善きパパといった風体の者。いまだ格子のついた病院に収容されていない事実に疑問を抱かざるをえない、エキセントリックな者。
 一見これといった関連性が見いだせない人たちが一堂に会し、コスプレという嗜好、作品という共通項を通して文字通り「あわせ」てしまうところにこの趣味の面白さがある。

 

 無論、他の分野においても集団を構成する人員というのはある程度バリエーションに富んだものだが、少なくとも自分の経験および周囲を見渡してみて、ここまで多様なバックグラウンドを持った人間が、作品の嗜好という細い糸一本を繋いでひしめき合っている構図というのも珍しい。

 


 さて、そんなこんなで足掛け4年ほどコスプレという趣味を続けていく中で、俺の周辺も少しずつ変わっていった。


 俺がコスプレで出会った人たちは、当然ながら俺がコスプレをしていなければ出会わなかったであろう人たちであり、コスプレを始める前と比べて俺という個人およびその環境は否が応でも変容していく。ふと後ろを振り返ってみれば、以前の自分では考えられないような言動、行動、思考をしていることがままある。人間は環境によって作られるイキモノである。環境が変われば人も変わる。字面を見れば当たり前だが、いざ対象を自分に設定し仔細に観察すると、なかなか面白いものだと感じられる。

 


 コスプレを始めた頃の写真を見返すと、誰しも気恥ずかしい思いをする。
 それは、単にメイクやウイッグセットが未熟だからという理由だけではなく、コスプレという趣味における自らの立ち位置や方向性が定まっていないがゆえの混乱や戸惑いが、写真を通じて思い出されるからではないかと思う。要するに俺がタイムマシンを使って小学生の俺に出会ったら、間違いなく目の前のおそ松ヘアのクソガキをボコボコにしているだろうということだ。できれば直視したくないのだ、若き日の自分というものは。

 

 いま「立ち位置」とか「方向性」とか仰々しい言葉を使ったが、別に大層なことを言ってるわけではない。「仲間内でこじんまり楽しもう」とか「造型に命かけちゃうぜ」とか「でかいイベントいきたい」とか、すなわちドラクエにおける「ガンガンいこうぜ」「いろいろやろうぜ」「いのちをだいじに」程度のスタンス、心構えについて話している。

 人が趣味にハマる理由、趣味を続けていくスタンスなんてさまざまであって、そこに善悪や上下はない。「ガンガンいこうぜ」派が「いのちをだいじに」派をディスる理由はないし、その逆もしかり。

 

 


 ところで、そう言う俺のスタンスはなんだろうか。

 

 自分ではよく分からない。こうと決めた覚えもない。そしておそらく、大半のコスプレイヤーも同じなんじゃないかと思う。明確なスタンスなどはなく、なんとなく楽しいからやっている。長文日記を書くのも、時に妙ちきりんな女装をするのも、俺が楽しいからだ。
 キャラ付けかって?キャラ付けに決まっておろう。無色透明のネット空間においてキャラ付けされていないアカウントなど、2ちゃんねるの名無しさん以上の存在意義など持ち得ないではないか。

 

 少なくとも今のところはこれでいいのだとも思う。今後も、ほどよく自己陶酔しながら好き放題にアホなことをやりたい。嫌悪感を持つ人はそっと離れて欲しい。面白がってくれる人はどうぞ消費して欲しい。その反響のスケール、消費のダイナミズムこそが俺の原動力であり、財産である。

 


 好きにやりたいのだ。たかだか趣味だ。これでおまんま食ってるわけじゃないのだ。


 以上、5年目に入った面倒なアラサーコスプレイヤーの戯言。うふ。

 

 

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アカデミー賞&ラジー賞2015 雑感

 

 米国アカデミー賞が本日発表。それと前後して、ラジー賞(最低映画賞)も発表された。

 

 アカデミー賞ではマッドマックスの6部門入賞とかディカプリオが悲願の主演男優賞獲得あたりが主な注目ポイントですかね。

 作品賞はトム・マッカーシーの『スポットライト』。もちろん観に行きます。

 

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 マッドマックスがメイクアップ&ヘアスタイリング賞を貰ってるのがちょっと面白い(登場人物ほとんどハゲばっかじゃねーか)。不満点は、なんで助演女優賞にフュリオサ大隊長ことシャーリーズ・セロンが、脚本賞アーロン・ソーキン(『スティーブ・ジョブズ』)がノミネートされてないのかということですかな。

 

 

 さて、アカデミー賞はこのくらいにしてラジー賞に目を向けましょう。たぶんこっちのほうがネタ的に美味しい。

 

 栄えある作品賞は『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』と『ファンタスティック・フォー』のダブル受賞。

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 今年はなんつーか全体的に小粒で、レースも予定調和というか大方の予想通りフィフティなんとかオブザなんとかが全部持ってった感じですねぇ(主演の2人はちゃんと演技してたのでちと気の毒だけど)。

 まぁアメリカ版『失楽園』みたいなもんだと考えとけば納得ってもんじゃないでしょうか。『ファンタスティック・フォー』では、かつて若き天才と持て囃されたジョシュ・トランク監督の凋落っぷりが心配。

 

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 かつてラジー賞入りしながらも見事復活を果たした「名誉挽回賞」はシルベスター・スタローン。個人的にはM・ナイト・シャマラン監督にも差し上げて欲しかったが、これも順当かなぁ。

 

 そういや、まだ俺の映画ランキング2015を書いてないや。

 3月中にはアップしまーす。多分。

 

「早稲田大学社会科学部って何してる学部なんですか?」という疑問に応えつつ答えない。

 

こんな画像がリツイートで回ってきて笑った。

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ぼくの出身は-いちいちぼかす必要もないのでこの際言うが-早稲田大学社会科学部である。もともとは夜間学部として作られ長い伝統を持っていたのだが、20世紀末に昼も夜も授業を行う昼夜開講制となり、ぼくの卒業と前後するくらいのタイミングで昼間学部に移行した。

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 社会科学部(通称シャガク)は、長らく「滑り止め学部」として政経学部や法学部をはじめとした他学部からイジられるキャラであった。野坂昭如作詞と伝えられるこんな替え歌がある。(おもちゃのチャチャチャのメロディで)

 

♪社学のシャララ 社学のシャララ

シャララ社学のシャララ

空にキラキラお星様 みんなスヤスヤ眠る頃

社学は家を飛び出して 向かう社学のシャララ

 

こんな感じで馬鹿にされる一方、文学部と並んで古き早稲田の学風を色濃く受け継いでいると云われるのも、また我ら社学の特徴であった。ぼくの在学中ですら、革マル系の社学自治会は大学当局と毎日のように喧嘩していたし、ノンポリの一般学生の気質もどこかスネているというか、反権力っぽい雰囲気は確かにあった。同級生は株でいろいろやらかして逮捕された。以前述べたように必修は英語の4単位だけで残りの120科目は好きにとることができたので、モグリや他学部聴講も頻繁にやったものである。とにかく自由だったのだ。

 

さて、今や完全にフツーの学部になってしまったらしい社学であるが、どういうわけか偏差値が急上昇し、今や法学部を追い抜いて早稲田大学第二位にまで躍り出ているようだ。もともと滑り止め学部のため倍率自体は高かった(僕の受験時は確か10倍くらい)のだが、どうも世間は何か勘違いしているように思えてならない。法学部蹴って社学に行くバカが出たらどうするんだ!(ワクワク)

 

 

偏差値がちょっと上がったからといって、学内や世間におけるヒエラルキーはそう簡単に変わるもんじゃない。少なくともまだまだ「社学」は「シャガク」であって、なんだかんだで社学自身もそのいびつな愛され方に居心地の良さを感じていたりする(じゃなきゃこんな記事書かない)。学歴オタクが根本的に分かっていないのはそのあたりだ。ちなみにスポーツ以外のほぼすべての面で早稲田が慶応に負けているのは、ぼくの在学時から早大生なんかみんな承知しているのでいまさら言うべきことでもない。

 

 

さっきの画像で例えられているギリシャほどではないにせよ、早稲田も慶応も100年以上の歴史を持っている。「校風」ってのは予備校の弾き出した数ポイントの数字の差や、それに一喜一憂する学歴オタに左右されるほど脆弱じゃないのだ-もちろん、盤石ではないにせよ。

 

誰も知らないチャット空間

 

 乃南アサ『ライン』講談社文庫)というミステリ小説がある。

 もともとは『パソコン通信殺人事件』なんて平凡なタイトルで、初版は90年代なので、今われわれが使っている「LINE」とはもちろん何の関係もない。今や懐かしい、インターネットのチャットルームを舞台として殺人事件が起きるという粗筋である。

 

ライン (講談社文庫)

ライン (講談社文庫)

 

 

 インターネットチャットはぼくが中学生の時(ゼロ年代初頭)にすごく流行っていた。「ほうげんちゃっと」「chat heaven」といった大手サイトのほか、個人経営の小ぢんまりとしたネット茶屋みたいなサイトや、いわゆる出会い系サイトの一種である2shotチャットもあちこちに立ち上がっては消えたりしていた。

 

 なんでそんなにみんなネットでお喋りしていたかといえば、何か書き込めば即座に反応が返ってくる即時性があまりにも魅力的だったからだ。

 ぼくは一人で机に座りパソコンのモニタを覗き込んでいるのに、顔も知らない誰かがいまこの時間を確かに共有している。リアルタイムで形成されていく仲間意識こそが、チャットルームの魅力の源泉だった。

 当時のチャットサイトはほとんど消えてしまったが、その特性はLINEやTwitter、あるいはライブストリーミング配信などの形で現在に受け継がれている。

 

 ネットの知り合いがリアルで顔を合わせる場を「オフ会」というが、最近はこの言葉もあまり聞かなくなってきた気がする。

 サイバー空間の自分とリアルの自分は、もはやON/OFFで区別するものではなくなっているのかもしれない。